2010年10月 のアーカイブ

鎌倉市 川喜多映画記念館音声ガイド付き上映会

川喜多映画記念館の外観

 

映画配給会社 東宝東和(旧 東和商事)の創立者である川喜多長政・かしこ夫妻の住居跡地が鎌倉市に寄贈されて17年。夫妻の意思を継ぎ、映画に造詣の深い施設を作ろうということからこの記念館の設立へと繋がった。今年の4月1日に開館したばかりの鎌倉市川喜多映画記念館。毎日(月曜休館)映画に関する展示物を見ることが出来る。1ヶ月の内、2週間、映画の上映を行っている。

 

川喜多夫妻の年表の前に立つ和地さん

 

バリアフリー上映会を開くきっかけとなったのは、シティ・ライツの平塚代表との出会い。3年前に、今回インタビューを受けてくださった和地さんと平塚代表とある映画関係の会合で出会ったことをきっかけに、和地さんが第1回シティ・ライツ映画祭に参加され、視覚障がい者もこうやって映画を楽しめることを知り、新鮮な驚きを得た。そして川喜多映画記念館開館に合わせ、ぜひ音声ガイド付きでの上映会もと準備を進め、2010年9月5日(日)に初めての音声ガイド付き上映会を行う運びとなった。

終戦記念日を挟んでの上映会ということで、作品を『父と暮らせば』に選び、50 席全て観客で埋まる中、無事初上映会は終了。音声ガイド付き上映会については、まだ試みの段階ではあったが、担当の和地さんは、今後定期的に出来るようにと意欲満々。3ヶ月に一度、半年に一度であっても、定期的に開催して行く方向で検討して行きたいとのこと。もし出来るなら、小道具など、レプリカでも準備をし、作品内の物を触覚でも楽しんでいただけたらいいなという夢も語る。

 

記念館スタッフによる展示スペースの解説ツアー

 

今回の上映会終了後には、視覚障がい者のお客様にも展示物をご案内したいという、特別なはからいで、記念館スタッフによる解説付きの展示物の閲覧タイムもあった。ソフィア・ローレン主演映画のポスターは、写真技術が進んでいなかったため、 手書きであること。ひめゆりの塔の脚本家、水木洋子氏の脚本は、水木氏出身地の千葉県市川市が保存しているため、その市川市より借り受けで展示してあること。『父と暮らせば』の中で宮沢りえさんが着用した衣装が飾られていることなどなど・・・。細部にいたるまでご説明いただきながら、視覚障がい者も一緒に観覧した。また、記念館の庭にある古民家は移築したもので、かつては映画の撮影に使われたり、後には、海外からのお客様を、日本の情緒漂うこの家で川喜多夫妻がもてなしたというエピソードも披露された。

海外の素晴らしい映画を日本に伝えた川喜多夫妻の遺志が、映画と接する機会の少ない、視覚障がい者の方々にも十分に伝えられた、素敵なバリアフリー上映会となった。

 

(レポーター:森川 加奈子)